美しさは何のために?「美のカリスマ」エリザベートが真に求めていたもの

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自然派のセルフケアや美容について学んでいくと、おのずと歴史をたどることにもなります。産業革命時代や中世のヨーロッパ、もっとさかのぼると紀元前のエジプトまで。
現代ほど科学的根拠が見えていなかった時代のケア方法が、意外と理にかなっていることもあるのが興味深いです。

さて、今回は、書籍『美しき皇妃エリザベート』をもとに、1800年代の美のカリスマ「エリザベート」のセルフケア方法に焦点をあててみたいと思います。

参考にした本はこちら
目次

エリザベートってどんな人?

美しさで有名なエリザベート。「シシィ」の愛称で親しまれ、特にハンガリーでは今でも根強い人気を誇るといいます。彼女が生きた時代や人物像についてみていきましょう。

エリザベート
パブリックドメイン

16歳で皇妃になったエリザベート

エリザベートはミュンヘンのヴィッテルスバッハ家(バイエルン王国)に生まれました。
本来は、姉と結婚するはずのフランツ・ヨーゼフ1世に見染められ、16歳でオーストリアのハプスブルク家に嫁ぐことになりました。
これが彼女のドラマティックな人生の始まりです。

エリザベートのプロポーション

エリザベートが語られるときに、必ずといっていいほど話題になるのが、彼女の驚異的なプロポーションです。『美しき皇妃エリザベート』では「異説あり」としたうえで、以下のように記されています。

172cm、ウエスト46cm、体重45~50kg

モデル並みのプロポーションですね。体重は、かなりスリムな人ならありうる数値だと思いますが、驚きなのはそのウエストの細さです。
コルセットを締めるのに1時間かかったという記述があるくらいですから、かなり締め付けていたのではないでしょうか。

長く美しい髪

「私は髪の奴隷」とエリザベート自ら語っていたというように、その長く美しい髪は、彼女の象徴でもあり、お手入れにも相当な労力を注いでいたようです。
くるぶしにまで届く長い髪をブラッシングして結い上げるまでに、毎日3時間を要したそう。その間は、ハンガリー語やギリシャ語の学習の時間に充てていたのだとか。勉強にも熱心だったのですね。

エリザベートの髪型は、たちまちに真似されウィーンの社交界に広まっていきました。エリザベートは、当時のファッションリーダーだったようです。

エリザベートの代表的な美容法

ここでは、書籍で紹介されていたエリザベートの美容法の中から、代表的なものをいくつかピックアップしてご紹介します。

フェイスパック

カッテージチーズ&ハチミツを使ったイチゴパック

材料
イチゴ・・・・・・適量(イチゴ2~3粒、大さじ2程度)
カッテージチーズ・・・・・大さじ2
ハチミツ・・・・・・小さじ1

イチゴをつぶして、ピューレ状にする。次にカッテージチーズとハチミツを入れて、泡だて器でよくかき混ぜる。これを顔や首にまんべんなくのばしてパックする。

材料を見ると、「美味しそう」という感想がまず浮かびますが、イチゴに含まれている成分で、血流促進し、くすみやクマを解消する作用があるそう。その他、抗炎症作用や美白作用なども期待できるといいます。

化粧水

ローズ・ウォーター

材料
バラの花びら・・・・・・100g
蒸留水・・・・・・4分の1 L

蒸留水を沸騰させ、バラの花びらに注ぐ。蓋をして暖かい場所に3日間置く。次のバラの花びらをよくしぼってフィルターで濾す。そして抽出した液を瓶に入れて冷蔵庫で冷やす。

ローズウォーターは、今でも植物の力を使った自然派のスキンケア用品として人気がありますね。日焼けによる炎症を抑える効果や、肌にハリやうるおいを与える作用が期待できるとされています。

石鹸

ハチミツ・ソープ

材料
黄色い蜜蝋・・・・・・120g
白いベビー石鹸・・・・・・60g
甘いアーモンドオイル・・・・・・20g
ローズ・ウォーター・・・・・・50g
ハチミツ・・・・・大さじ1

まず、細かく刻んだ白いベビー石鹸と黄色い蜜蝋を湯煎にかけてよくかき混ぜながら溶かす。次に、アーモンドオイルと温めたローズ・ウォーターを加える。さらに冷めないうちにハチミツを入れてかき混ぜる。温かいうちに丸い玉の形にすればシシィ愛用のハチミツ・ソープのできあがり。

はちみつは古代からスキンケアや栄養補給など、広く使われてきました。
抗菌作用や保湿効果、美白効果が期待できるそうです。

▼はちみつについては、こちらでも詳しくまとめています

ヘアケア

ビール・トリートメント

材料
ビール・・・・・・150cc(炭酸抜き)

シャンプー後、濡れた髪にビールをつけながら櫛でとかす。2~3分後、新い流す。

ビール!?と驚いてしまいますが、次のような作用があるそう。

ビールの原材料の麦芽とホップには傷んだ髪を修復するたんぱく質が含まれ、コシがあってボリュームのある髪にする効果がある。

当時のオーストリアはワインが主流の国で、ビールはハプスブルク家の食卓には並ぶことがなかったそうです。エリザベートがウィーンの宮廷にビールを持ち込んで以降、オーストリアでもビールが生産されるようになりました。

こうしてみると、現代でも真似できそうな美容法ばかりではないでしょうか。歴史に名を残す絶世の美女が行っていた美容法は、自然の力を借りたものだったのですね。

エリザベートの体型維持

星のドレスを纏ったエリザベート / パブリックドメイン

驚異的なプロポーションを生涯に渡り保っていたと言われるエリザベートですが、甘いものにも目がなかったといいます。その代わり、ときには、厳しいダイエットや断食をすることもあり、運動には日頃から熱心に取り組んでいたようです。

ハードなウォーキング

エリザベートは、日々のルーティンにウォーキングを取り入れていました。
侍女たちは息を切らしながらついていくのがやっと、というほどの早歩きだったそう。競歩並みの速度だったのでは?と本書の筆者は推測しています。
散歩というよりは、エクササイズ目的だったのでしょうね。

フィットネスルームでトレーニング

エリザベートは、王室の自室にフィットネスルームを設置しました。
王宮の自室に吊り輪やぶら下がり器などのトレーニングマシーンを完備。当時としては見慣れない器機もあったそう。
そのほか、バーベルや縄跳びなども使って、毎日1~3時間トレーニングをしたそうです。
体型維持への執念がうかがえますね。

乗馬への情熱

エリザベートは乗馬を好み、その腕前は「上級競技者」だったといいます。
幼いころから乗馬好きだったそうですが、エリザベートにとっては、乗馬が窮屈な宮廷の生活から自由になれる時間だったともいえそうです。

夢中で取り組んでいた乗馬ですが、40代半ばで突然やめてしまいます。やめた原因は、リウマチや坐骨神経痛に悩まされていたことと、同時の恋愛が関係したと推測されています。

私の持病SLEもリウマチと同じ膠原病に分類される病気です。なんだか急に親近感がわくと同時に、持病を抱えながらそれだけストイックにトレーニングを重ねる生活は、相当ハードだっただろうと想像します。

エリザベートがこれほどまでに美に執着した理由

ここまで、エリザベートの美容法について紹介してきました。エリザベートは、なぜ、これほどまでに美に執着したのでしょうか。その理由を紐解いていきましょう。

嫁姑問題

田舎出身で自由主義者のエリザベートは、ウィーンの宮廷文化になじめませんでした。
そのうえ、姑ゾフィーと折り合いが悪く、姑の息がかかった女官や侍女たちに囲まれた宮廷で孤立していました。夫のヨーゼフ一世は外交に忙しく不在にしがちでした。

そして、自分の子を自分で育てることが許されないだけでなく、面会さえままならない。
そうしたストレスと孤独が続く生活の中で徐々に心身を病んでいき、ウィーンを離れ2年におよび療養生活を過ごすこととなりました。

自分磨きが自信に

エリザベートはあるときから意を決したように、自分磨きに専念し始めました。そして、その美貌を自信につなげていくのでした。
彼女の美は、心の鎧のようなものだったのでしょうね。姑ですら、彼女の美を認めていたそうです。

その後も、エリザベートは度々、旅行に出ています。「息抜き」が必要な状態だったのは相変わらずのようでした。

エリザベートは、特にハンガリーを愛しており、何度も滞在しました。夫、ヨーゼフ1世に働きかけ、オーストリア=ハンガリー二重帝国成立にも尽力しました。それにより、長らく独立を求めていたハンガリーの自治が成立したのでした。エリザベートにとって、ハンガリーの人々の思いは、自由を求める自分と重なる部分があったのではないでしょうか。

40歳以降は写真や自画像を残さなかった

生涯に渡ってその驚異的なプロポーションを保ち続けた、と言われているエリザベートですが、40歳以降は写真や自画像を残さなくなりました。老化していく自分の姿が受け入れられなかったのかもしれません。

エリザベートの人生にもっとも暗い影を落としたのは息子ルドルフの情死です。それ以降、彼女は黒い服しか着なくなったといわれています。そして、自身の最期は暗殺というかたちで幕を閉じました。

美を追求したエリザベートが真に求めていたもの

時に自分磨きは自信につながります。
エリザベートにとって、美の追求は生きる力そのものだったのかもしれません。しかしそれは、鎧に過ぎず、本当の心の平安にはつながらないものでした。
前衛的な考えをもち、自分らしさを大事にし、ハンガリーの独立に力を注いだ彼女が本当に求めていたものは、「自由」だったのだと思います。
そもそも何のために美を追求するのか、一度立ち止まって考えてみるのもよいかもしれません。

本の紹介:『美しき皇妃エリザベート』 須貝 典子 ・著

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