子宮全摘出術の入院体験記|私の選択とリアルレポート

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実は、1か月前に、卵管切除&子宮全摘出の手術を受けました。
先日、術後検診を終えて、術後の経過も問題ないことが確認できました。

子宮筋腫は30代以上の女性の3割前後に認められるとされています。
(参考:「公益社団法人 日本産科婦人科学会」)

今回は、子宮全摘出術を決断するに至った理由、手術のメリットとデメリット、入院期間中の様子や退院後の状況について、私の体験談をシェアしたいと思います。
私の体験談が、同じお悩みを抱えている方の参考になれば幸いです。

目次

子宮全摘出術に至る経緯

手術を受ける15年くらい前から、私には子宮筋腫があり、当時から、生理痛や生理不順にも悩まされていました。
その頃、ホルモン注射の治療を受けていました。
正確な薬剤の名称は覚えていませんが、エストロゲンの分泌を抑制し、子宮筋腫を小さくする偽閉経療法だったかと思います。

その後、膠原病の一種であるSLE(全身性エリテマトーデス)を発症したことから、子宮筋腫のホルモン療法は中断しました。
SLEは、現時点では、原因がはっきりせず、完治する治療法がない指定難病のひとつですが、女性ホルモンが関与しているとも考えられています。
ですので、ホルモン療法がSLEの症状の悪化を招くリスクもあるということで。定期的な検診で経過観察を行いながら、約10年、様子を見続けていました。

そんな中、直近の健康診断で、卵管の腫れが見つかり、さらには子宮筋腫が悪化していることがわかりました。
卵管の腫れに関しては自覚症状はないものの、感染症リスクにつながるとのこと。
持病のSLEの特性上、感染症にかかるリスクも悪化するリスクも高いので、切除をすすめられました。
その際に、ついでに子宮も摘出してしまってはどうか、と提案されました。

  • 卵管も子宮も摘出せずに様子見
  • 卵管だけ摘出

の選択肢もあったかと思いますが、私は両方の摘出を選びました。持病のSLEが安定していることと、摘出する方が私にとってメリットが大きいという判断からでした。

子宮全摘出のメリット・デメリット

ここでは、私は今回、子宮全摘出の判断をするにあたって検討したメリットとデメリットを紹介していきます。

子宮全摘出のメリット

子宮を全摘出するメリットは、生理からの解放ではないでしょうか。

私の生理痛は、一番ひどい時では、痛みに耐えている間に出た汗がボタボタと床に垂れ、意識を失うところまではいきませんが、意識が遠のく感じがある、という状態でした。
ピークの痛みは、1時間程度でおさまりますが、この状態が出先で起こったらなかなか大変だな、と思っていました。

また、過多月経気味で、生理3日めでもベッドのシーツが血の海なんてこともありました。
寝るときは、ショーツ型のナプキンをつけたり、吸水ナプキンを重ね履きしたりなどしていましたね。

毎月この状態だったわけではなく、痛み止めで耐えられる程度になることもあったのですが、私にとっては生理痛からの解放は大きなメリットでした。

もうひとつは、ガンのリスクから解放されること。
とってしまった臓器は、ガンになる心配もないわけです。

子宮全摘出のデメリット

もちろん、メリットだけではありません。
どんな手術にもリスクは伴います。
リスクの詳しいところは、婦人科、麻酔科それぞれから説明があり、手術前にサインをした同意書を提出します。

それに、入院期間は、仕事を休まなければなりません。
そのうえ、入院と手術には、それなりに費用もかかりますね。

今回の入院は、5泊6日の入院期間でした。
手術費用は高額なので、有難いことに高額療養費制度が適用になりますが、個室を利用する場合は、差額ベット代がかかります。
東京都内の病院ですと、個室は1番安価でも1日3万円台です。
私が入院した病院は、個室しか設けていないということで、差額ベッド代が発生しました。

ちなみに、日数はホテルのように泊数ではなく、入院日数でカウントします。
5泊6日の入院なら、6日分の費用が発生します。

これらのリスクや負担を理解したうえで、決断することが大事ですね。

そして、子宮は女性特有の臓器です。
なかには、子宮を全摘出することで、喪失感を覚える方もいらっしゃるそうです。
私自身は、喪失感という感覚はあまりなかったのですが‥‥。
あとで後悔しないように、喪失感についてもしっかりと考えておくことが大事だと思います。

子宮全摘出と更年期症状の関係について

今回、私が受けた手術は、卵管の摘出と子宮の全摘出ですので、卵巣は残ります。
ホルモンを分泌するのは、卵巣の役割ですので、手術後もホルモン分泌はあります。
手術後、生理はとまりますが、ホルモンは分泌されるので排卵もされるということです。

つまり、更年期症状に関しては個人差がありますが、本人の体にもともと起こるであろう症状が起こるというわけです。
基本的に子宮の摘出そのものは更年期症状には、影響しないということですね。

しかし、こういった説もありますので、気になる方は見てみてください。
参考:株式会社First Health Japan「女性ホルモン」
この件に関して、医師に確認したところ、子宮全摘をする年齢と更年期を迎える年齢が近い方が多いので、そのように感じるのではないか、ということでした。

私は、万が一そのような事態が起きた場合は、ホルモン補充療法などの対策を検討しようと考えて、子宮全摘を選択しました。

手術の方法について

今回、私が受けた手術方法は、腹腔鏡下手術でした。
開腹手術に比べて、比較的、体に負担が少ない手術といわれています。
子宮は、細かくカットして膣から排出したそうです。
手術には全身麻酔を使いました。

これを書いている今日が、手術日からちょうど1か月後なのですが、傷の痛みはほとんどなく、見た目も目立たなくなりました。
術後しばらくは、膣から多少の出血もしますが、今はないですね。

手術前のスケジュール

手術前にも薬の調整や体温測定などやるべきことがあります。順に紹介していきます。

レルミナを服用

手術前からレルミナ錠40mgを服用し始めます。
女性ホルモンの分泌を抑制することで偽閉経状態にして、子宮筋腫を小さくするのが目的です。
手術をしやすくするためですね。

私の場合は、手術の51日前から飲み始めました。

副作用としては、更年期障害のような症状がでることがあるそうです。
私は飲み始めのころ、めまいがしましたが、しばらくすると体が慣れてきたのかなくなりました。
レルミナの長期服用は、骨密度低下リスクがあるので、連続投与は最大でも6か月とされています。

マツエク・ネイルを外す

手術・入院中は、マツエクもジェルネイルもNGです。
私はどちらも付けているので、サロンに外しにいきました。
手術日が決まったら、サロンの予約も早めに確保しておいた方がいいですね。

体温測定開始

手術の10日前から体温測定をするように指示がありました。
指定の紙に記録して、入院日に提出します。
私は、測定を忘れないように、寝る前にリビングのテーブルに体温計を置いて寝るようにしていました。

サプリ・薬の服用停止

手術1週間前からは、常用しているサプリや漢方薬などがあれば、服用を停止するように指示がありました。
私は、ビタミンDのサプリを服用していましたが、1週間前に服用停止しました。

また、SLEの治療のため、免疫抑制剤を服用していますが、それは膠原病科の主治医と連携のうえ、手術日3日目に服用停止しました。
それ以外の薬は、手術当日も服用しました。

下剤を服用

入院前日に服用するために、下剤が処方されました。
便が詰まっていない方が手術しやすいからです。
私は、日頃からお通じが良い方なので、下剤を服用すると下痢になってしまう心配もありましたが、服用することにしました。
案の定、入院日と手術当日はお腹を下していました。

入院から退院まで

今回の手術の入院期間は5泊6日でした。入院から退院までの様子をご紹介していきます。

手術前日

手術前日に入院しました。
入院は午後からのスケジュールでしたので、昼食までは各自で取っておくことになります。
診察や血圧測定などはありますが、基本は自由にしていてOKでした。
手術当日と翌日はお風呂に入れないので、シャワーも浴びておきます。

今回の入院では、パジャマとタオル類一式、それに、かかとつきスリッパをレンタルで申し込んでいました。
でも、パジャマがなかなか病室に届かなかったので、念のため1着だけ用意していた部屋着があってよかったな、と思いました。
それに、スリッパはなぜかこの日に届かなかったので、シャワー室から出たらスニーカーでベッドまで移動することとなりました。
このあたりは病院の手配次第かと思いますが、念のため。

食事は18:00~で、21時以降は食事禁止。飲み物はOKです。
持参したPCでドラマや映画を観て過ごしまた。
この日から、尿の量の計測と便の回数を記録していきます。

手術当日

手術当日の5時半ごろ、看護師さんがやってきて、膠原病科で処方されている薬を服用しました。
正直「眠っ」と思いました(笑)。
緊張で眠れないかとも心配していたのですが、案外きちんと眠れていたようです。

手術日は翌日午後からだったので、手術日当日の9時までは水かお茶を飲むことはゆるされていました。

病室で点滴を始め、手術着に着替えます。
手術室には、看護師さんに付き添ってもらいながら、自分で歩いて向かいます。
私は、普段コンタクトをしていますが、手術当日は眼鏡を使用し、施術中は眼鏡も外します。

手術室の前で手術の担当医や麻酔科医と挨拶し、手術内容の再確認を入念にします。
手術台にあがって、酸素マスクをつけます。このタイミングで眼鏡も預けます。麻酔で体温が下がるので手術台は温められています。

麻酔科医から「眠る薬を入れますよ」と言われて、数秒後からはもう覚えていません。

術後

「終わりましたよ~」の声で目が覚めました。
その瞬間感じたのは、「こんなに痛くちゃ眠れやしない!」ということでした。
目覚めたばかりだというのに。

そして、寒気と吐き気がする。

10のうち、7か8くらいは痛いことと吐き気がすることを伝えると「結構、痛いんですね」「吐き気止め結構いれたんだけどなあ」なんて声が聞こえます。

この時点では、麻酔で頭がぼんやりしています。
そうしている間にも、ベッドごと病室に運ばれていきます。
この瞬間が一番気持ち悪かった!!吐き気と寒気がすごくて。これは、麻酔の影響なのですが。

あとから聞きましたが、手術にかかった時間は2時間半くらいとのことでした。

手術室から戻って決められた時間が経過すると酸素マスクが外れます。
その日は、ベッドの上で安静に過ごします。寝返りはうって構いませんが、起き上がることはできません。
トイレはカテーテルに繋がれているので行く必要はありません。

私にとっては、人生で初めてシモの世話を受けたわけですが、できればあまり受けたくないですね。
手術をしたら必要なことではありますが、やはり、恥ずかしいという感覚はありました。

血栓を防ぐため、足にはマッサージ機器が装着され、点滴もしています。
とにかく寒くて掛け布団を追加してもらいました。
夕方、お見舞いにきた夫とも会話できましたが、麻酔の眠気で集中力が続きませんでした。

看護師さんが2時間おきに見にきてくれます。
手術直後の痛みよりはやわらぎますが、この日の夜はなんとも寝苦しかったのを覚えています。
スマホを見ることはできましたよ。
心配した親からのメッセージに返信したりなどもできました。

手術翌日

手術の翌朝は、思ったよりも痛みと吐き気はおさまっていました。
朝やってきた看護師さんに、うがいか歯磨きか希望を聞かれます。
私は、歯磨きを希望しました。
この時点では歩けないのでベッド上で磨いて、うがいした水はトレーに出すというスタイルです。

そのあと朝食が運ばれてきます。
お米はおかゆですが、意外としっかりとしたおかずもついていました。
食事のあとは、看護師さんに手伝っていただきながら体を拭いて、手術着からパジャマに着替えます。

その次は初回歩行です。
トイレまで自力で歩けたら、カテーテルが外れます。
無事に外れました!

次に、看護師さんに付き添ってもらいながら、病棟を1周します。それが出来たら次は自力で。
合計で10周を目標にするように指示があります。
3周くらいしたところで、一旦休憩しました。
それでも、手術翌日のわりには結構元気だわ、なんて自信がわいてきます。

昼食もとり、点滴も外れました。

ここまで順調かと思いきや、午後から体が重く感じ、なんだか吐き気もしてきました。
結局、歩きには行けませんでした。

看護師さんに言って、吐き気止めを出してもらい服用しましたが、その日は夕食もとれませんでした。
午前中の自信が消え去り、弱気が押し寄せてきます。

術後2日目以降

起きたら、前日までの吐き気が嘘のように、なくなっていました。
食事もとれ、術後初めてシャワーも浴びれました。

痛み止めは飲んでいますが、じっとしている限りでは、つらい痛みではありません。
ただ、呼吸器の影響でのどがガラガラなので、刺激で咳が出るとお腹に響いて痛いです。
それに、ほんの少し出血があるので、生理用ナプキンを使っている状況です。

麻酔の影響による肩こりもだいぶマシになりました。
麻酔で使った炭酸がまだ脇腹あたりに残っていて、触るとプチプチとした感触はありますが、徐々に体に吸収されるだろう、とのこと。

病院内の庭や売店にも行けて、気分転換もできました。
ただ、お腹はかなり緩くて、6回も下痢していました。抗生剤を点滴した影響で、下りやすいのだそうです。
整腸剤を処方してもらいました。


術後3日目には、手術中の動画を見せてもらいました。
お腹の中を切ったり、縫ったりする姿を映した動画です!
私の子宮は筋腫でボコボコしていました。
卵巣も子宮も案外小さいのね、なんて思ったり。
切ったり縫ったりする様子を見ながら、お肉料理の下準備みたいって思ったり(笑)

とにかく、卵管、子宮ともに私の体からはいなくなったのだなあ、と実感がわきました。

退院日

予定通り、6日目で退院です。

退院日は10時になれば、会計処理が済むとのことで、朝食を済ませて、荷物をまとめて準備します。
その間、院内のスタバにコーヒーを買いに行ったりなど、日常っぽい行動も問題なくできました。
あと、もう1日早く退院でもいけたかな、と思う体調でした。

ちなみに、タイで子宮全摘出の手術を受けた友人によると、2泊で退院のスケジュールだったそうです。
バンコクの大規模な国際病院で、です。
3日目の退院なんて、体力的に大変そう…。私の場合、3日めは吐き気に悩まされた日でした。
国によって基準が違うのだなあ、と興味深く思いました。

退院後の生活と社会復帰

退院後は、無理しない程度に、散歩などで最低限体を動かすことを意識しながら過ごしました。

私の仕事は在宅でのデスクワークですが、退院後1週間は仕事を休めるスケジュールにしていました。
退院の翌日には、今日にでも仕事復帰できそう!なんて思いましたが、退院の翌々日くらいに、どっと疲れが出て寝ても寝ても眠い状態になりました。
気を張っていたのが緩んだのでしょうか。

デスクワークであっても3日程度は療養日を設けておいた方がよさそうですね。
腹圧がかかる動作があるお仕事は、もっと長い療養期間が必要かと思います。

術後検診

手術の約3週間後に検診を受けました。
外側も内側も含め、傷の回復も順調で、特に問題なしでした。

その後の検診は3か月後に。このときに問題なければ、一連の治療は終了です。

子宮全摘出後の婦人科検診について尋ねてみたところ、膣が癌になる可能性や卵巣が腫れる可能性もあるので、毎年までは必要ではないが何年かに一度、検診を受けるとよいと説明を受けました。
子宮を摘出していることを伝えたうえで、検査を受ければいいと。

覚えておこうと思います。

入院準備・用意してよかったもの

今回の入院に関しては、パジャマ、タオル類、スリッパをレンタルで利用したので、荷物は少なく済みました。

持参したのは、歯ブラシやスキンケア用品など基本的な身の回り用品のほか、映画・ドラマ鑑賞用のPC、本、精油とロールオンアロマでした。

ロールオンアロマは手首などにつけて気軽に使えますし、精油はティッシュに垂らしてベッドサイドに置いたりしていました。
普段から愛用している香りは、心を落ち着かせてくれます。

あと、下着は使い捨てのセットを持参しました。

使い捨てとは思えないクオリティでした。旅行などにもおすすめしたいですね。

まとめ

今回は、私の卵管切除および子宮全摘出術の体験記をお届けしました。

私は、自然な閉経とは別のかたちで生理から卒業しましたが、喪失感はありません。
生理を気にせず、旅行の計画を立てたり、白のコーディネートを選べるのも楽しみです。

これは、個人的な体験記ですので、同じ手術を受ける方にも全てが当てはまるわけではありませんが、ひとつの事例として参考にしていただければ幸いです。

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