『眠り』を読んで思い出した、もっと眠りたかったあの日々のこと

当ページのリンクには広告が含まれています。

村上春樹さんの作品に『眠り』という短編があります。

主人公の「私」はある日から一睡もできなくなった。眠れない夜、「私」は、かつて好んだ本を読み、チョコレートをかじり、ブランデーを飲む。眠っていないのに、体は健康そももの。

そうやって”人生を「拡大」”し続けていくのだった。


淡々と静かに進んでいく物語ですが、どこか不穏な空気が漂います。

この作品を読んで、持病で入院したときのことを思い出しました。

入院した当日、私の気持ちは病気になったショックよりも、「今日から好きなだけ眠れる」という安堵の方が大きかったのです。
それほど、睡眠不足な日々を過ごしていたのでした。

そして、入院中は治療のために服用している薬の影響で、眠りづらくなりました。
薬の影響で、数時間しか睡眠がとれなくても、体は元気。

そのときに、この『眠り』の主人公と同じように
“人生を「拡大」”しているような錯覚に陥ったのです。

でも、それは長くは続きませんでした。薬は徐々に減量していく必要があります。
眠れない状態は少しずつ改善していき、同時に「眠らなくても平気」になったはずの体にも疲労感がじわじわと現れ始めました。

そもそもは睡眠を削って、活動時間を増やそうとしていたのが間違いでした。

長期間にわたって睡眠不足の生活をしていた30代。それも病気の引き金のひとつになったのでは、と今となっては思います。

間違いなく私は、ショートスリーパーではありません。
睡眠時間の確保と睡眠の質、どちらも大事にしていかなければと思っています。

ときには、ノウハウとは別の観点から、眠りを考えてみるのもよいかもしれません。
サッと読める短編です。眠れぬ夜のお供いいかがでしょうか。
※『眠り』は『TVピープル』の中に収録されています。

▼関連記事はこちら

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次